ベランダやバルコニーからの雨漏りの「原因と修理方法」
雨漏りと聞いて、多くの方が屋根からの雨漏りを思い浮かべるのではないでしょうか?しかし、意外と多いのがベランダやバルコニーからの雨漏りです。
💧雨が降るとベランダやバルコニーに水たまりができる
💧1階の天井に雨染みが出来ている
💧コケや藻、雑草が生えている
こういったことはありませんか?
ベランダやバルコニーの雨漏りを放置していると、ベランダ下の1階の天井から染み出てくることもあります。さらには、雨漏りによって湿度が高くなると家の木材が腐ってしまったり、シロアリが発生したりなど、建物の寿命を脅かすような被害につながることも少なくありません。
そこで今回は、ベランダやバルコニーからの雨漏りの原因と修理方法について解説いたします。
◆ベランダとバルコニーの違い
雨漏りに関してご相談いただく前に、ご自身の家にあるのがベランダなのか、バルコニーなのか分からないといった声をよく聞きます。
大きな違いは、「屋根が設けられているか、いないか」になります。屋根があればベランダ、屋根がなければバルコニーと考えると分かりやすいかもしれません。
◆ベランダ・バルコニーの雨漏りの原因・修理方法
💧排水口の詰まり・劣化
ベランダ・バルコニーの雨漏りの原因で多い事が、排水口の詰まりや劣化です。
「大雨が降った後ベランダが水浸しに…」こんな場合は排水口の詰まりを疑いましょう。排水口の掃除を長年行っていないと、枯れ葉や木の枝、虫の死骸、洗濯物のホコリなどのゴミが溜まり、排水口を詰まらせる原因となります。
排水口が詰まってしまうと、雨水が溜まり接合部分に圧力がかかることで水が染み出して、室内に雨漏りが発生してしまいます。雨漏り防止のために、日ごろからこまめに掃除をしてゴミを取り除いておきましょう。
→修理方法
詰まりの場合は、まずは掃除をしてみましょう。排水口の奥までゴミが詰まっていて掃除をしても改善されない場合はプロに相談した方が良いでしょう。高圧洗浄機などを使用して、効率的に修理を行います。
💧ベランダ・バルコニーの床面(防水シート・防水層)の劣化
ベランダやバルコニーの床面には建物内に雨水が侵入するのを防ぐため、下地の上に「防水層」を作ります。その上に紫外線や雨風から防水層を保護するためにトップコートを塗ったり、防水シートを貼っています。主なベランダ防水の種類は、FRP(繊維強化プラスチックス)防水、ウレタン防水、シート防水(合成ゴムシートや塩化ビニールシート)です。
それらが経年劣化することで、床面にひび割れや剥がれが起こり、雨漏りが発生するケースも少なくありません。
①雨風や紫外線の影響によりトップコートが劣化
ベランダ・バルコニーは、日々、紫外線や雨風など過酷な環境に晒されています。防水層を保護する役割のトップコートが経年により劣化することで機能を果たさなくなります。
②防水層の露出
トップコートが経年劣化で剝がれてしまえば、防水層はむき出しの状態です。紫外線や雨風の影響を直接受けることになるため、防水層が急速に劣化します。
③防水層が劣化し、雨漏りが起きる
防水層が劣化すると、床材に水分が染み込んで階下の雨漏りにつながります。マンションやアパートの場合は、階下の住民に迷惑をかけてしまうことにもなるでしょう。
防水層の劣化は、紫外線や雨風による影響だけではありません。ベランダやバルコニーで洗濯物を干していたり、ガーデニングなどで使用している場合は、歩行による摩擦などで床面にかかる負担が大きくなるため、劣化を早めてしまいます。
塗装のひび割れやはがれなどが起きていなくても、ベランダの床材に膨れがある場合は、内部に水分が侵入している可能性があります。放置していると、ベランダの下地部分だけでなく、建物の構造部分までダメージが広がってしまいます。雨漏りの原因にもなるので、早めの処置が大切です。
→修理方法
防水層の劣化が原因で雨漏りしている場合は、防水層の保護・再形成が必要です。
①トップコートは3~5年で塗り替える
軽度のひび割れであればトップコートの補修で済みます。トップコートは3~5年を目安に塗り替えましょう。定期的にトップコートの塗り替えを行う事で防水層を守ることが出来ます。
②防水層まで劣化している場合は、防水工事をやり直す
防水層まで劣化・破損している場合や、すでに雨漏りにまで発展している場合は防水工事を改めてやり直す必要があります。FRP防水やウレタン防水の耐用年数は10年程度ですので、10年を目安に塗り替えをしておくことで雨漏りの防止に繋がります。
💧外壁の劣化や破損
ベランダやバルコニー周辺の壁も防水処理が施されています。台風や地震などの自然災害、雨風や紫外線などが原因で外壁のシーリング(コーキング)が劣化してヒビ割れていたり、剥がれてしまっていたりするとそこから雨が入り込んで雨漏りが発生するケースも多いです。
→修理方法
外壁に0.3mm以下の軽微なヒビ割れが発生している場合は、シーリング材などで充填し、隙間を埋めることで補修が可能です。しかし、外壁の劣化や破損が激しい場合には中の下地まで補修が必要となる場合もあります。
外壁も雨風や紫外線に晒されており劣化しやすい部分なので、防水性能を維持する為にも敵的に外壁塗装を行う事をお勧めします。
💧笠木の劣化
笠木(かさぎ)とは、ベランダの外壁(手すり壁)の上部にかぶせられた部材の事です。笠木にはm紫外線や雨から外壁や手すりを守る役割があります。
しかし笠木は直接雨風や紫外線の影響を受ける為、劣化が進みやすい部分です。劣化してしまうと、破損部分から雨水が侵入してしまい雨漏りの原因にもなります。
→修理方法
笠木の劣化による軽度な雨漏りの場合、シーリング工事を施すことで改善する事が多いです。シーリング材とはコーキング材とも呼ばれ、建物全体の気密性や防水性を保持する為に外壁や窓枠などのつなぎ目や隙間に充填するゴム状の建築材料です。
笠木のジョイント部分や打ち込まれたビスの隙間、外壁との取り合い部分など、雨水侵入の原因となっている箇所にシーリング材を詰めて埋めることで防水します。しかし、笠木自体が劣化してしまったり、腰壁の下地が腐食してしまっている場合は笠木自体の交換や下地の補修工事が必要です。
雨漏りの放置は危険!シロアリなどの二次災害
雨漏りの一次被害とは、建物内部に水が浸入することを指します。
ベランダ・バルコニーの雨漏りを放置していると、家を大きく傷める様々な二次被害が発生してしまうため、要注意です。二次被害が進行するほど修繕費用も高額になるので、早めの対処が重要となります。
雨漏りを根本的に解決するためには、どこまで被害が広がっているのかを正しく把握しなければなりません。しかし、雨水はいろんな経路を通って建物全体に広がっているので、プロでも発見に困難を極めるケースもあるほど複雑です。
素人では目に見えない箇所まで調べることはできませんし、雨漏り箇所が正しく特定できていない中での修理は、カビやシロアリの発生など二次被害につながる恐れがあるためおすすめしません。
被害状況によっては、雨漏り箇所の補修だけでなく、大掛かりな修繕工事も必要になります。雨漏りや不振な箇所に気がついたら、まずはプロに雨漏り調査を依頼しましょう。
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