外壁塗装の見積もりで注意すべきポイント
外壁塗装の見積もりを依頼する際、どんなことに注意すればいいのかわからない方も少なくないのではないでしょうか。この記事では、外壁塗装の見積書を取得したらチェックしておきたい5つのポイントをご紹介します。見積書に記載された項目の意味や費用相場を把握して、適切な優良リフォーム会社を見つけましょう。
外壁塗装の見積書でチェックするべき5つのポイント
外壁塗装で見積もりを取得する際に、次の5つのようなポイントを確認しておきましょう。
● 相見積もりをしているか?
● 見積書に具体的な工程が書いてあるか?
● 見積書に面積が数値で書いてあるか?
● 下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りをするか?
● 見積書の塗料の項目に商品名やメーカー名が書いてあるか?
それぞれの詳細を解説していきます。
業者や見積書を確認する際の参考にしてみてください。
相見積もりをしているか?
相見積もりとは、複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼することをいいます。
見積もりを1社にしか依頼していないと、比較する対象がないため、工事内容が適切かどうか判断できません。
相見積もりをすることで工事内容や価格が他社と比較できるため、悪質な業者を見抜きやすくなるでしょう。
相見積もりをする際は、3社~5社ほどで比較すると良いでしょう。
あまり多くの業者に見積もりを依頼すると、それぞれの対応に時間を割くことになり、疲れてしまうデメリットがあります。
また、見積もり金額を比較したときに、価格が大きく違う場合は、高すぎても安すぎても注意が必要です。
同じ材料を使い、同様の工程を踏んでいるにも関わらず、高すぎる場合は料金の水増しをしている恐れがあります。
見積書の内容で不明瞭な部分がないかや、なぜ他社と比較して高値なのかをしっかり確認することが大切です。
反対に、安すぎる場合は手抜き工事をされる可能性があるので、気を付けましょう。
契約を得るために費用を低く設定して、工事内容を削減したり、材料のグレードを下げたりする悪徳業者も存在します。
見積書に具体的な工程が書いてあるか?
見積書に「足場設置」や「養生」といった工程が具体的に書かれていない業者には、依頼しない方がよいでしょう。
なかには「塗装作業一式」などのように、すべての作業をひとまとめにして記載する悪質な業者もいます。
具体的に工程を書いていなければ、業者側は内容をごまかすことが可能です。
しかし、工程を具体的に記載している場合、作業ごとに使う材料や単価がわかるため、業者側はごまかしにくいでしょう。
優良業者は、見積書の中に次のような詳しい工程を入れることが多いです。
● 足場設置
● 高圧洗浄
● 養生
● 下地処理
● 下塗り
● 中塗り・上塗り
● 破風
● 軒天
● 諸経費(廃棄費用など)
上記は例であり、工程の名称は業者によって異なります。
また、養生と下地処理はまとめて記載する業者も多いです。
なかでも、次の工程は重要になります。
● 足場設置
● 下地処理
● 下塗り
● 中塗り・上塗り
このような内訳が見積書に記載されていない業者には注意が必要です。
見積書に面積が数値で書いてあるか?
見積書で「足場設置」と「塗装(下塗り・中塗り・上塗り)」の面積が数値で記載されていない場合は、注意が必要でしょう。
足場の設置や塗装箇所の施工面積は費用を決める際の重要な項目です。
特に、外壁全体の塗装面積に「一式」と表記しているような会社は、注意が必要といえます。
ほかにも面積で記載した方が望ましい項目としては「付帯部(破風や軒天)」や「高圧洗浄」があります。
また、見積書に記載される面積の表示単価には、「坪」や「㎡」があります。
見積書を確認する際は、どちらの表記なのかもよく確認しておきましょう。
ちなみに、1坪はおよそ3.3㎡です。
下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りをするか?
塗装には下塗り、中塗り、上塗りの3工程があります。
基本的に、外壁塗装は3回塗りが必要なので、見積書にもそのように記載されているか確認しておきましょう。
一般的に、塗装工事の際は次のような流れで行われます。
● 下塗り
● 中塗り
● 上塗り
2回塗りの「クリヤー塗装」や4回塗りの「光触媒」などの例外もありますが、その他の塗料を使う際に3回塗りをしていない業者への依頼は避けるようにしましょう。
塗装回数は見積書に記載してあります。
大抵は、「下塗り」と「仕上げ塗り2回」などと記載しているでしょう。
「シリコン塗装(2回)」と書く場合もあります。
外壁塗装に3回塗りが必要な理由は、外壁を保護するための塗膜の厚さが1回や2回塗りでは形成できないからです。
塗料は1度に厚く塗ると垂れてきたり乾きにくくなったりする恐れがあるため、十分な性能を得るためには回数を分けて重ね塗りしていきます。
見積書の内容で塗装の回数が判断できないようであれば、何回塗りする予定なのかを業者に確認しましょう。
曖昧な返答だった場合は、やはり依頼は避けておく方が安心です。
見積書の塗料の項目に商品名やメーカー名が書いてあるか?
見積書の塗料の項目に「商品名」と「メーカー名」が記載してあるかも重要なポイントです。
優良業者であれば、基本的に商品名は記載しています。
「シリコン塗料」や「フッ素塗料」といったように、塗料の種類名だけしか書かれていない場合は要注意です。
どの商品の塗料を使うのか業者に確認してみましょう。
外壁塗装における見積書の項目の意味と項目別の単価相場
ここからは外壁塗装の見積書に記載されている項目の意味や、単価相場をご紹介します。
● 足場設置
● 高圧洗浄
● 養生
● 下地調整
● 下塗り
● 中塗り
● 上塗り
● 付帯部
● 諸経費
単価相場は、工事の状況や業者によって変動するため、目安として考えておくとよいでしょう。
次にそれぞれの内容を詳しく解説していきます。
足場設置
足場を設置するための工程です。「仮設足場」と記載する場合もあります。
単価の目安は、1㎡あたり600〜800円です。
なお、「1㎡」ではなく「1架(かけ)㎡」と記載する場合もあります。
「架㎡」とは、外壁の外周部の面積に、足場の長さを加えた単位です。
高圧洗浄
高圧洗浄機で外壁をきれいに洗浄する際の工程です。単価の目安は、1㎡あたり150〜250円です。
養生
足場にメッシュシートを張ったり、塗装しない場所をテープやビニールなどで保護したりする工程です。
単価の目安は、1㎡あたり300〜400円です。
下地調整
劣化した部位を補修したり、塗装が付着しやすいように剥がして整えたりする工程です。
単価の目安は、作業内容によって大きく変動します。
例えば、塗膜やサビ部分を削って下地を整えるケレン作業の場合は、1㎡あたり200~1,000円ほどです。
下地調整は面積を数値化しにくいため、一式で費用が決められているケースも多くあります。
下塗り
仕上げ塗料が剥がれないように、接着剤の役割を果たす塗装を行う工程です。
単価の目安は、1㎡あたり600〜1,200円です。
中塗り
仕上げ塗料を使った1回目の塗装工程です。
中塗りを行うことで、より塗膜がきれいに仕上がるとともに、塗料の性能を発揮しやすくなります。
単価は上塗りと一緒に「2回塗り」として計算するケースが多いです。
上塗り
仕上げ塗料(中塗りと同じ塗料)を使った2回目の塗装工程です。
上塗りは、塗膜の表面を整える最後の工程で、美観にも影響を及ぼします。
色ムラや塗り残しがないように丁寧に施工しなければなりません。
単価の目安は、中塗りと合わせた「2回塗り」で1㎡あたり約2,000〜4,400円ですが、使う塗料の種類によって価格が大きく変動します。
付帯部
外壁の主要な面以外を塗装する工程です。
主な付帯部には、次のような部分があります。
● 破風
● 軒天
● 雨樋
破風は、住宅を正面から見たとき、外壁と屋根の接合部分にある三角形の部分のことです。
軒天は、軒先の裏側を指します。
単価の目安、軒天塗装の場合で1㎡あたり800~1,500円です。
使う塗料と塗る場所によって価格は大きく変動します。
諸経費
ゴミの廃棄料金や交通費、業者の利益などさまざまな価格が含まれており、単価は業者によって異なります。
費用は、工事総額の3〜15%程度が目安です。
外壁塗装の見積書の悪い例・良い例
次に、外壁塗装の見積書の悪い例と良い例を紹介します。
見積書を取得している方は、参考にしてみてください。
見積書の悪い例
内訳の数があまりにも少なく、費用が一式にまとめられている場合は、費用の水増しが行われる可能性もあります。
次のような見積書を出してくる業者への依頼は避けておきましょう。
見積書の良い例
塗料の製品名や単価、施工箇所の面積まで丁寧に記載されている見積書は信頼できます。
次のような内容が記載されている業者であれば、安心して依頼できるでしょう。
この例では、最低限の内容のみ記載しています。
業者によっては、さらに具体的に作成してくれることもあります。
外壁塗装の見積もりを依頼する際の流れ
外壁塗装の見積もりを依頼する際の流れは、主に以下のようになります。
● 業者を探す
● 現地調査をしてもらう
● 見積書を受け取る
それぞれの内容と気をつけておきたいポイントを、詳しく紹介していきます。
業者を探す
まずは、外壁塗装を行っている業者を探しましょう。
業者の探し方は、インターネットやチラシなどを確認する方法や、知人に紹介してもらう方法などがあります。
また、業者選びの際は口コミもチェックしておきましょう。
相見積もりをするため、3社~5社ほど選んでおくことをおすすめします。
現地調査をしてもらう
見積もりを出すための現地調査をしてもらいます。
その際に、丁寧に調査してくれるか、依頼主の質問に明確な返答をしてくれるかなどを確認しておくと良いでしょう。
もし、施工業者の対応が合わなかったり、良くないと感じる場合には、工事の際も不安を抱くことになり得るので依頼は避けておきましょう。
見積書を受け取る
現地調査の結果から、見積もりを出してもらいます。
前述した見積書のチェックポイントを参考にして、業者選びを行いましょう