外壁塗装|工事の流れ全工程&期間
「事前に外壁塗装工事の流れを把握しておきたい」という方は少なくないでしょう。なかには外壁塗装を目前に「これからどんな工事が行われるのだろう」と気になっている方もいるかもしれません。
はじめにお伝えしておきたいのは、塗装工事の中身は単に塗料を塗るだけではありません。塗装工事には、足場の設置や高圧洗浄、下地処理、養生など、塗料を塗る以外にも様々な工程があります。
この記事では「外壁塗装工事の流れ」を全10ステップの工程に分けて解説します。ぜひ参考にしてください。
外壁塗装工事の流れ
外壁塗装工事の流れは下記の通りです。
①.ご近所への挨拶
外壁塗装の最初のステップは、ご近所への挨拶です。工事がはじまる前に近隣のお宅を訪問し、外壁塗装工事をすること、工事期間などを伝えます。
塗装工事が始まると、連日塗装業者などが出入りすることになるため、騒々しさを感じてしまう近隣の方もいるでしょう。また、塗料のにおいが近隣まで及んでしまう可能性もあります。こうしたことが原因で近隣の方々とトラブルを引き起こさないためにも、事前に説明をしてご理解をいただいて置くことが重要です。
塗装業者の多くが近隣挨拶をしてくれますが、近隣の方の心証を考えれば塗装業者に任せきりにするのではなく、できればご自身も挨拶にまわると良いでしょう。
②.現場確認
塗装工事が始まる前に現場確認が行われます。この時に足場設置や塗装作業の障害になりそうなモノはすべて動かすことになります。業者が勝手にモノを動かすと、後々トラブルになってしまう可能性があるため、基本的に(施主にも)立会いが求められます。
「大切に扱ってほしいモノ」「塗料等で絶対に汚されたくない植栽」などがあれば、この時にしっかりと伝えておくと安心です。
③.足場の設置
外壁の上辺りや屋根の塗装は高所作業となるため、基本的に住まいの周りに足場を設置します。
足場の組み立て時には大きな音がすることもあります。気になりそうなときには、どの程度の音がするのか、いつ音がするのか(時間帯)などを事前に確認しておくのが良いでしょう。
ちなみに、足場の組み立てには国家資格が必要なため、塗装業者が協力業者に委託する場合が少なくありません。そのため、足場の設置時には塗装業者だけではなく、足場業者も現場を出入りすることもあります。
④.高圧洗浄
足場が立ったら、高圧洗浄機を使用しての洗浄が行われます。
高圧洗浄をするのは、塗装する面に付着した埃や汚れ、苔、剥がれかけた塗膜(塗料の膜)などを取り除くためです。汚れなどが残っていると、仕上がりの見た目に影響するだけではなく、上から塗装した塗料が剝がれてしまうこともあるので、洗浄は丁寧に時間をかけて行われます。
⑤.下地処理
洗浄の次は、下地処理が行われます。下地処理とは、ひび割れや錆(サビ)などの劣化部分を補修することです。
この下地処理は非常に重要な工程と言われています。なぜならば、下地処理が十分に出来ていない場合、上から塗料を塗装してもキレイには仕上がらず、場合によっては再び早々に劣化症状が現れてしまうこともあるからです。
そのため、劣化箇所が多い場合などは下地処理に時間をかけるためにスケジュールが後ろに倒れることもあります。
⑥.養生
塗装をする前に行われる養生作業。養生とは、塗料や汚れなどが付着しないように塗装しない面を養生シートなどで覆う工程のことです。窓ガラスや床、植栽、玄関まわりなど、汚れや塗料が付着しそうな箇所はすべて養生シートなどで覆われることになります。
養生シートで窓ガラスを覆ってしまうと、外壁塗装中は窓が開けられなくなります。そのため、外壁塗装中も開けたい窓がある(換気したい)場合には、その旨を養生前に塗装業者に伝えておきましょう。事前に伝えておけば、窓が開けられる方法で養生をしてもらえます。
※窓が開けられるように養生をしていても、工程によっては窓が開けられないこともあります。
また、外壁塗装工事中もエアコンを使いたいという場合も養生前に塗装業者に伝えておくのが良いでしょう。なぜならば、室外機を他の箇所と同様に養生シートで覆い吸排気をふさいでしまうと、エアコンを使用ができなくなるためです。外壁塗装工事中もエアコンを使用するためには、メッシュカバータイプの養生シートを利用するか、シートに穴をあけるかしておくなどして、室外機の吸排気をふさがないように養生をしてもらう必要があります。
⑦.外壁塗装・下塗り
塗装は下塗り・中塗り・上塗りの順で塗料を塗り重ねていきます。ちなみに、使用する塗布量(塗料の量)は各製品によって決まっています。勘違いされている方も多いのですが、塗料をなんとなく適当に厚く塗り重ねているわけではありません。
下地と、仕上げの中塗り・上塗りを密着させるために塗るのが下塗りです。下塗りも中塗り・上塗りと同様に均一な厚みになるよう丁寧に塗装が進められます。
⑧.外壁塗装・中塗り&上塗り
中塗り・上塗りは仕上げの工程となります。
下塗りが終わった後、一定の乾燥時間をおいてから中塗りの塗装が行われます。乾燥時間を置かずに下塗りが乾かないまま中塗りを塗装してしまうと、施工不良につながる恐れがあるため、下塗りが終わった後に必ず乾燥時間を設けられています。中塗りが終わった後も、一定の乾燥時間を置いてから上塗りの塗装が行われます。ちなみに乾燥時間は塗料ごとに塗料メーカーによって規定されています。
仕上げの工程となるため、見た目にも美しい塗装が施されています。
⑨.完了検査
すべての塗装工事が完了した後、完了検査を行います。完了検査とはいわば最終チェックです。仕上がりの状態はもちろん塗り残しがないか、周囲に塗料が飛び散っていないかなどを細かく確認します。
この完了検査には、施主様にも立ち会いが求められます。塗装業者と一緒に最終の状態をチェックして、気になることがあれば完了検査時に伝えましょう。検査後、必要な手直しなどがあればすぐに対応してもらえます。
仮に完了検査時には立ち会わず、引き渡してしまった後になって気になる箇所を指摘しても、完了検査後には足場を解体してしまうため対応までに時間がかかったり、場合によっては足場がないために対応が難しかったりすることもあります。そのため、完了検査には立ち会うことを強くオススメいたします。
⑩.足場の解体&完成
完了検査が(場合によっては+αの手直しも)終わったら、足場が解体されます。
足場の解体時にも大きな音がすることがあります。気になりそうな場合は、足場の組み立て時と同じく、どの程度の音がするのか、いつ音がするのか(時間帯)などを事前に確認しておくのが良いでしょう。
足場を解体した後、塗装業者が道具などを片付けて塗装工事はすべて完了となります。工事後、保証書などが発行される場合は忘れずに受け取りましょう。
外壁塗装にはどのくらいの期間がかかる?
戸建て住宅・アパートの外壁塗装にかかる期間(日数)は下記の通りです。
・戸建て住宅:10~14日
・アパート:2~3週間(6戸程度の大きさの場合)
※ただし、上記の期間はあくまで目安です。外壁の広さや外壁材の劣化状況、天候など、さまざまな要因によって、上記よりも長く外壁塗装の期間がかかることも珍しくありません。
【戸建て|外壁塗装の流れ】
外壁塗装の流れ | 各工事工程にかかる期間(目安) |
①近隣挨拶 | 1日 ※1~2時間ほど |
②現場確認 | 1日 ※1時間ほど |
③足場の設置 | 1日 |
④高圧洗浄 | 1日 |
⑤下地処理 | 1日 |
⑥養生 | 1日 |
⑦外壁塗装・下塗り | 2~3日 |
⑧外壁塗装・中塗り&上塗り | |
⑨完了検査 | 1日 ※1時間ほど |
⑩足場の解体&完成 | 1日 |
※上記の各工事工程にかかる期間(日数)はあくまで目安です。外壁の状態などによっては、一部の作業が翌日にずれ込むなど、多少の差異が生じることもあります。
外壁塗装の期間を大幅に短縮することはできない
もしかすると「外壁塗装の期間がもう少し短くならないのだろうか…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、外壁塗装の期間を大幅に短縮することはできません。
なぜならば外壁塗装工事には様々な工事工程があり、それぞれの工事工程に一定の期間(時間)がかかるためです。
どんなに急いで作業をしても上げられるスピードには限界があります。無理にスピードを上げれば、作業が雑になるなどして仕上がりに影響するかもしれません。また、どんなに作業スピードをあげても次々と工程を進められるわけではないのです。洗浄後は水が乾くのを待つ必要があります。そのため「その日のうちに下塗りから中塗り、上塗りまで一気に仕上げる」といったことはできないのです。
外壁塗装工事は基本的に10~14日間はかかると考えて間違いありません。雨天などで塗装工事が中止となり、塗装にかかる期間が延長することはあっても大幅に短縮するというのは不可能と思ってください。
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