外壁塗装工事の手順と流れ
外壁塗装をお考えの方で、気になる事は何でしょうか?
「どのくらい時間がかかるのか」
「どんな工程なのか」
そんな疑問を抱いている方も少なくないと思います。
外壁塗装をする際は、メッシュシートで家を囲われ、中でどんな作業をしているのか分かりづらいという点があります。
それは工事をされている方はもちろんですが、近隣の方も同じ思いを持っていることが多いと思います。
今回はそんな外壁塗装の流れ(手順)をご紹介いたします。
外壁塗装の流れ
①足場を組みます(仮設工事)
②高圧洗浄を行います
一般住宅の外壁の塗り替えにおいて塗装前の高圧洗浄は、今や常識です。 外壁の表面には長年のあいだについた汚れやほこり、またカビなどが発生しています。
また塗装の表面が劣化してくるとチョーキングといって粉化する(粉っぽくなる)現象も起こります。
高圧洗浄はそれらを高圧の水流で丁寧に洗い落とします。
この作業をしっかりやらないと最悪の場合塗装のはがれ(めくれ)の原因になり、 いくら良い塗料を塗ったとしても台無しになる恐れがあるので注意が必要です。
3下地補修(下地調整)を行います
下地補修は、塗装工事の良し悪しを決める上でもっとも大切な工程です。
この作業をおろそかにすると、いくら高い費用を払って高級な塗料を塗っても意味がなくなります。
またこの工程は業者にとって最も手抜きのしやすい部分でもあります。 それは塗装工事が完了してしまうと、この下地補修をしっかり行ったかどうかはプロが見てもなかなか分かりません。
ですから見積りの段階から出来るだけ丁寧に建物の調査をしてもらい、どのような下地補修が必要なのか、また予算がどれくらいかかるのかを良く説明 してもらいましょう。
多少の費用をかけてでも、しっかりと行ってもらうことが大切です。
4コーキング(シーリング)補修
新築時の建物は、上から塗装せずにコーキングがむきだし状態のため紫外線に直接さらされて劣化してきます。
建物の構造や外壁の種類、外壁目地の構造、シーリング材の種類などによって違うので一概にいえませんが、 後々の雨水の浸入を防ぐためにも塗り替えの前にコーキングの打ち直し(打ち替え)が必要です。
打ち直した後は固まったコーキングの上から塗装をしますので新しい塗料で紫外線がブロックされ、新築時よりも断然に長持ちするようになります。
コーキングには外壁の種類や補修する場所、塗料との相性などにより適材適所がありますので、正しい専門知識をもった職人に施工をしてもらうことが重要です。
5養生をします(マスキング)
養生は見積りに金額がうたわれていない場合も多いので見落としてしまいがちですが実は塗装工事の基本ともいわれていて、お客様にとっても非常に大切な工程です。
安全対策上必要なものやビニールやマスキングテープ、ブルーシートなどで塗らない部分を保護するなど、塗装の仕上がりを決めるうえで大切な仕事です。
また養生が不十分だと「窓にペンキがついた」、「植木がだめになった」、「隣の家の車を汚してクレームがきた」などというようなことも起こります。
最近の塗り替えでは、ローラーで塗装することがほとんどなので、塗料が飛び散らないと思われがちですがローラーでも十分塗料は飛び散ります。
ですから近隣への配慮も含めてしっかり行ってくれる業者を選ぶことが重要です。
6下塗りをします
養生が終わるといよいよ塗装の工程に入っていきます。
これまでの工程で高圧洗浄、下地補修、コーキングの補修、養生といろいろと行ってきましたがここまで終わると工事の半分以上は終わったも同然です。
手抜きをする業者は、ここまでの工程を簡略化するので注意が必要です。
希望の色を塗るまえに、必ずしなければならない大切な工程がこの下塗りです。 下塗り塗料は接着剤のように下地(外壁)と塗料の密着性を高めたり上に塗る塗料の浸透(吸い込み)を止める役割があります。
下塗りの際には中塗りや上塗りの塗料と色を変えるのが普通なので色で見分けることが出来ますし、塗り残しの確認も出来ます。
ここで重要になるのが、適切な下塗り塗料の選定です。 選択を間違えるとその後の作業や仕上がりに影響が出るだけでなく、最悪の場合は塗装がすぐにはがれてしまうこともあるので注意が必要です。
最近は技術の進歩で工場塗装のものなど、外壁の種類が多彩になってきていますので正しい専門知識がないと判断が難しくなっています。
7中塗りをします
下塗りが完了したら中間検査を行います。
ここまでの作業が不十分ですと、あとになってから塗装がすぐにはがれるなどの大きな不具合にもなりかねませんので、 しっかり確認してもしも塗り残しなどがある場合にはしっかりと補修したうえで中塗りの工程に入っていきます。。
中塗りの目的は塗装に厚み(塗布量)を確保して上塗り材の補強をすることやなめらかな下地を作るために行います。 下塗りのあとに上塗りを2回行うというような場合は、この1回目の上塗りが中塗りに該当します。
中塗りは塗膜の厚みを一定の量確保することで、塗料が本来持っている機能を発揮させ塗装を長持ちさせることが出来ます。
8上塗り(仕上げ塗り)をします
上塗り(仕上げ塗り)はトップコートとも呼ばれ、3度塗りの最後に行う仕上げの工程です。 塗り残しやローラー、刷毛(はけ)などのあとが残らないように丁寧に塗っていきます。 基本的に中塗りと上塗りは同じ色で塗装します。
よく塗り忘れの防止などのために中塗りと上塗りの色を変えて塗る場合がありますが、 同じ色で塗っても中塗りの塗料はすでに乾いているので上塗りとの見分けははっきりとつき問題ありません。
(塗料メーカーの仕様では原則同じ色で2回塗るように指導されている)
9すべての仕事が完了です
上塗りの後は軒天(外壁より外に飛び出している部分の裏側)や樋(とい:雨水を外に流す部分)、破風(はふ:屋根の裏側の三角形の部分)を塗装します。 これらは雨水の影響をもっとも受けやすいところなので、専用の塗料や正しい施工方法で丁寧に施工します。
次に養生をはがしていき、塗料のはみ出しや垂れた部分を確認しながら手直しをして、それが終わったら丁寧に清掃を行います。 そして外壁や建物を傷つけないように丁寧に足場をばらして工事完了です。
最後に、お客様立会いのもと完了検査を行い、近隣住民様へ完了のご挨拶を行ったら塗り替え工事の全ての行程が終了となります。