破風板の役割と修理方法
破風と言う言葉をご存じでしょうか。
名前を聞いたことはあるけれど、いまいちピンとこない…という方も多いのではないでしょうか。
破風とは屋根の妻側の山形になっている部分で、そこに取り付ける板を破風板と呼びます。
一方地面に対して水平になっている部分は軒・軒先と言い、鼻隠しと呼ばれる板や雨樋を取り付けます。
◆破風板の役割
1.防風・防水
「風を破る板」とあるように、主に耐風性能向上の目的で取り付けられています。
屋根や軒天などは下や横から吹き上げる風には弱い特徴があり、破風板は屋根裏への雨風の侵入を防ぐ役割を果たします。
また、台風時などの激しい雨風の吹込みの防止、雨水から壁面を保護する役割もあります。
2.防火
住宅火災は下から上へ延焼します。
窓から火が上がった際に、屋根裏への火のまわりをある程度遅らせる役目があります。
3.意匠性
屋根は垂木や桁など木材の構造材で支えられています。
破風板を取り付けることでこれらを隠し、美観を整えます。
◆破風板の劣化
破風板は一般的なもので20年程の耐久性がありますが、日光や紫外線、雨風や雪などの気象により劣化してしまいます。
塗装の剥離や腐食、金属系ではサビの発生などの劣化症状が起こります。
◆破風板の修理方法
1.塗装
これまでの住宅の多くは木材の破風板が使用されてきましたが、金属系、窯業系でも行えるメンテナンスが塗装です。
既存の破風板に塗装を行うことで防水効果などの耐久性を向上し、美観を整えます。
2.金属板金カバー
既存の木製破風板をガルバリウム鋼板の板で覆い包む修理方法です。
耐久性の向上に加え、防火性能の向上が期待できます。
3.破風板交換
既存の破風板や下地の劣化が著しい場合は、破風板を交換する必要があります。
既存の破風板を撤去し新しいものを取り付けるため、耐久性、防火性、意匠性など最も優れたメンテナンス方法です。
◆まとめ
破風板は普段あまり目に留まらない部分ではありますが、防風・防水・防火、外壁の保護や意匠性などの大切な役割を担っています。
修理方法には「塗装・カバー・交換」の3つがあり、工事の際には足場が必要となるため、外壁や屋根のリフォームと併せて行うことをお勧めします。