下塗りについて

外壁塗装では、塗料が効果を最大限に発揮できるよう、正しい手順で行っていきます。

その手順は「下塗り→中塗り→上塗り」の3工程から成り立っており、今回は主に下塗りの役割や塗料の種類について解説していきます。

 

◆下塗りの役割

下塗りは外壁塗装の基本となるとても重要な工程です。下塗りでは、中塗りや上塗りとは機能も成分も異なる塗料を使用しています。

接着力を高める

サイディングボードやモルタルなどの外壁材と、中塗り・上塗りとの接着力を強め、防水性や耐候性に優れた塗膜を作り出します。

下地強化剤とも呼ばれ、下塗り工程を経ることで中塗り・上塗りの塗料の定着が高まります。

 

染み込みを防ぐ

外壁材に直接中塗り・上塗りを行うと、塗料の気泡やその他の要因により、外壁材を傷めてしまう可能性があります。

また、表面をキレイに塗装しても、塗料が外壁材に染み込むため、時間が経過すると塗りムラが発生し、美観にも影響を与えてしまいます。外壁材との接着力も弱いため、耐久性も損ねてしまうでしょう。

 

中塗り・上塗り

中塗りは、上塗りのために平滑な塗膜を作る塗装です。下塗り塗料の色を隠すとともに、下塗りと上塗りの密着性を高める効果があります。

塗料が乾燥すると、液体中の気体分散により気泡が発生します。これが塗りムラの主な原因となってしまいます。

上塗りは、中塗りの塗りムラを塞ぎ、塗膜に厚みを付け、仕上がりのキレイな塗装を実現するとともに、耐久性を高めます。

中塗りと上塗りは、原則として同じ塗料を使用します。

 

 

◆下塗り塗料の種類

外壁塗装の主な下塗り塗料には、シーラー、プライマー、フィラーの3種類があります。

1.シーラー

密閉・密封と言う意味の「シール」が語源となっており、シミやクラック等のない場合はシーラーが使用されます。

シーラーは、外壁材に中塗り・上塗り塗料を密着させる接着剤としての機能、外壁材への中塗り・上塗り塗料の染み込みを防ぐ抗浸透機能を持っています。シーラーを塗ると壁面が平滑化され、後の中塗り・上塗りが綺麗に仕上がります。

シーラーには水性タイプと油性タイプのものがあり、水性タイプはモルタル、コンクリート、石膏ボードなどの限られた外壁にしか使用できません。それ以外の外壁材の場合は、油性タイプの浸透性シーラーが使用されます。

浸透性シーラーは、しっかりと外壁材の内部まで行き届き、外壁自体の強度を高めることができます。主に窯業系サイディングボード、ALC板、PC板、GRC板、押し出し成形セメント板、ケイ酸カルシウム板、古くなったコンクリートやモルタルなどの外壁材の下塗りとして使用されます。

 

プライマー

基本的にシーラーと同様の機能を持っています。プライマーは主に、鉄、ステンレス、アルミなど、金属系サイディングボードやパネルの場合に使用します。

プライマーにサビを落とす機能はないため、下塗りを行う前にサンドペーパーや研磨布を用いて、しっかりとサビを除去しておく必要があります。

 

フィラー

フィラーは、基本的にはシーラーやプライマーと同様の機能を持っていますが、パテ機能を追加した下塗り塗料です。外壁にシミ、ひび割れ、凹凸等ができていて、中塗り・上塗りが困難な場合はフィラーを使用し、表面を平滑化しておきます。

ヘアークラックの上からフィラーを塗る場合は、深さが0.3mmくらいまでの浅いものに限り、それ以上深い場合は、割れを補修する工事や微弾性フィラーを使用します。

微弾性フィラーは、シーラーの密着性を高める機能と、フィラーの凹凸をなだらかにする機能を兼ね備えた下地材です。様々な外壁に使用でき、弾性と言う名の通り、伸縮して外壁の動きに追従するため、塗装後のひび割れ再発を防ぐ効果も持っています。

 

 

外壁塗装における下塗りは、塗料の効果を高め、耐久性を長持ちさせるためにも重要な工程です。見積書を作ってもらう際には塗料名などを記載してもらい、下塗りが行われているか確認しましょう。


よろしければシェアお願いします

2019年8月に投稿したカナリアペイントの記事一覧

この記事のトラックバックURL

カナリアペイント 営業エリア

埼玉・群馬・栃木エリアを中心に承っております。詳しくは営業エリアをご確認ください。

PAGE TOP