ベランダの雨漏り修理
ベランダが雨漏りすると、軒天井から水が垂れてきたり、雨が外壁の中を通ることで1階部分の天井や壁に雨染みができたりと、様々な症状が現れます。
雨漏りは、進行する前に早目に対処することが大切です。
そこで、雨漏りが起こる原因や応急処置などを紹介していきます。
◆ベランダ雨漏りの原因
①排水口の詰まり・劣化
ベランダの雨漏りの原因で最も多いのは、排水口です。
大雨が降るとベランダに水溜りができる場合は、排水口が詰まっている可能性があります。枯葉やゴミなどがたまって排水口がふさがれると、水が流れなくなってしまい、雨漏りに繋がります。
排水口から入ってきたものが排水管の中にたまってしまう事もあり、雨の量が多いと、圧力で排水管の接合部などから水漏れを起こし、室内に流れ込むこともあります。
また、ベランダの排水口は水の通り道であり、常に太陽や雨風にもさらされているため、排水口や周囲の素材は、だんだん劣化してしまいます。排水口周りの防水層が剥がれてしまい、隙間から雨水が染み込んでしまう事があります。
新築時や防水工事を行った際に、設計ミスや施工不良などがあると、排水口の流れが悪くなってしまう場合もあります。
②防水シート・防水層の劣化
防水処理は、一般的に10年程で点検やメンテナンスが必要とされています。
雨風や紫外線にさらされたり、物を置いたり、歩いたりしていると、ベランダの床に張られているシートや防水塗装が劣化していきます。その結果、ひび割れ、剥離、破れなどが起こり、雨漏りに繋がってしまいます。
防水シートの立ち上がり部分が外側にめくれている場合は要注意です。防水シート・塗装の劣化や損傷が激しい場合は、張り替えや塗り替えなどの工事が必要となります。
③笠木の劣化・破損
笠木とは、ベランダの手すり部分をカバーするもので、雨水から壁を守る役位割を果たしています。
意識しにくい部分ではありますが、笠木が破損していたりズレや隙間が出来ていると、雨水がベランダの壁の内部に侵入してしまいます。その結果、下地の防水シートや木材の腐食が進み、雨漏りが発生してしまいます。
④壁の劣化
外壁は、日々の雨風、紫外線、地震などの自然要因や経年で耐久性が落ち、劣化が起こります。
ヒビが入ったり、コーキングが剥がれたりしている部分から雨水が侵入してしまい、雨漏りを起こす場合があります。雨漏りが発生してからの修理は、大がかりなものとなってしまうため、早目に対処しましょう。
⑤取り合い部の不具合
取り合い部とは、ベランダと住宅部分のつなぎ目で、外壁とベランダの壁、出入り口となるサッシ部分などを指します。
つなぎ目に充填されているコーキングの劣化や、固定に使用されるアンカーボルトなどが外れかかっていると、雨水が侵入してしまう可能性があります。
⑥勾配異常
ベランダの床面は、排水口に向かって水が流れていくように、わざと傾けてあります。この傾斜が悪いと防水層の劣化や、水溜りができてしまい、雨漏りの原因となってしまいます。
しかし、勾配異常は建築上や設計上のミスであることが多いため、工務店や専門業者に相談することをおススメします。
◆雨漏りの応急処置
①排水口の清掃
ベランダの水はけが悪くなっている時は、排水口の掃除を行いましょう。
出来る限り排水口を傷つけないように、たわしやブラシで見える部分のごみを取り除く、ワイヤーブラシで雨樋や排水管の汚れを取るなどの方法があります。
洗剤を使用すると、泡が排水管に溢れてすすぎに苦労する可能性があるため、できるだけ控えましょう。
②水気を取り除く
雨水が室内に入り込んでいる場合は、内装の応急処置も行いましょう。壁紙の水濡れを放置してしまうと、カビや剥がれの原因にもなります。
天井からポタポタと水が落ちてくる場合は、雨水の落ちてくる箇所に、飛散防止のための新聞紙やレジャーシートを敷き、その上にバケツを置きましょう。この時、バケツの中に雑巾やタオルを置いておくと、水しぶきを防ぐ効果があります。
窓枠やサッシまわりから雨漏りしている場合は、雑巾などでこまめに水を吸い取りましょう。また、カーテンが濡れ続けるとカビが生えてしまうため、出来る限り取り外しましょう。
③ブルーシートをかぶせる
雨天が続く場合は、そのままにしておくと雨漏りが進行する恐れがあります。
水が侵入している箇所にブルーシートをかぶせ、雨水の侵入を防ぎましょう。雨漏りの箇所が特定できない場合でも、広範囲に被せることで防げる可能性があります。
しかし、場所によっては大変危険なため、あまりおススメはしません。
◆自分でも応急処置を行っておくと、被害の拡大や二次災害(カビやシミ、腐食など)をある程度抑えられる可能性があります。修理には専門的な知識や技術が必要となるため、すでに雨漏りが起こっている場合は、早めに相談しましょう。