外壁塗装 見積もりのポイント
1.見積もりをとる上でのおさえておくべきポイント
いざ見積もりをとったはいいが、何を基準に判断すればよいのか?迷いますよね。
まずは、見積もりをとる上での重要なことについてご説明します。
1-1.相見積もりを3社程度とる
外壁塗装を検討する上で相見積もりをとる方も多いと思います。「絶対この会社にお願いしたい!」という業者がいる場合は相見積もりをとる必要はありませんが、特にない場合は相見積もりをしましょう。業者によって使用する塗料、サービス、金額はばらばらです。また、見積もりをお願いすることで正しい安心できる工事を行ってくれるかどうか見極めることができます。可能なら3社ほど見積もりをお願いし、業者選びの判断材料にしましょう。
1-2.見積書を正しく見る
複数の見積書を見比べてみても、総額以外に注目すべきポイントがわからない方がほとんどだと思います。もちろん、総額も大切ですが、金額だけで見積もりを判断するのはやめましょう。しっかりした塗装を行ってもらえず、トラブルになる可能性もあります。
ここで、良い見積書を見分ける為の4つのポイントをチェックしましょう!
①塗料メーカー名と商品名
まずは、塗料メーカー名と商品名がきちんと記載されているかを確認しましょう。「シリコン塗料」とだけ記載されている場合は要注意です。塗料のグレードは商品によって全て違いますし、同じ「シリコン塗料」でもメーカーが違えば商品も異なるので価格も変わります。
②塗料の使用缶数
塗料の使用缶数が詳細に記載されているか確認しましょう。塗料には、メーカーが指定している「基準塗布量」というものがあります。この塗布量を守らないとその塗料がもつ、本来の性能は発揮されません。使用缶数が少なければ、施工不良になってしまいますので注意が必要です。
③塗装面積(塗布面積)とその根拠
②の塗布量を守るためには、まずは正しい塗装面積が算出されていないといけません。
もし「坪数」で表記されていたら、注意が必要です。「坪数」は単なる床面積なので、外壁の面積(塗布面積)ではありません。
また、お手元の見積書を見比べて下さい。各社、塗装面積が異なると思います。塗装面積の根拠を必ず確認し、正しい塗装面積を把握しましょう。
④「一式」という表記の有無
「◯◯工事 一式」という表記をされている項目があると思います。「一式」には何がどれだけ含まれているのか?事前に確認しましょう。「ここは工事に含まれていません」と言われてからでは手遅れです。
2.見積書を分析
複数の見積書の比較基準を理解したところで、具体的な内容について見ていきましょう。
2-1.見積書の各項目について
見積書をよく見ると、様々な項目に分かれて表記されていると思います。見積書を構成している各項目を知りましょう。
①足場
塗装を行なう為に必要な足場です
②飛散防止ネット
足場についているネットのことです。塗料や洗浄時の水の飛散を防ぎます。
③高圧洗浄
塗装を行なう前に、既存の汚れ等を落とすために高圧洗浄を行います。
④養生
塗装を行わない部分をビニールで覆い塗料がつかないようにします。
⑤塗料代
外壁塗装に使用する上塗り塗料、下塗り塗料のことです。
⑥塗装施工費
塗装を行なう職人さんの手間賃、人件費です。
⑦付帯塗装工事
軒天、雨樋等の付帯部の塗装工事のことです。
⑧諸経費
現場管理費、廃材処理費等のことです。
2-2.各項目の費用相場
各項目の費用の相場を紹介します。あくまでも目安ですが、適正価格なのかどうか判断するための材料にしてください。
塗料代の相場
塗料は種類によって価格帯が大きく異なります。注意しておきたいのが、耐久年数が高い塗料は次の塗り替えまでの期間が長くなるため、塗り替え回数が少なくて済むということです。安さ重視で選ぶと、長いスパンで考えたときに、塗り替え回数が増え結果的には割高になってしまう可能性も考慮しておくと良いでしょう。
・塗料別の相場目安
塗料 | 耐久年数 | 費用 ※1缶あたり |
---|---|---|
アクリル | 約3~5年 | 5,000~15,000円 |
ウレタン | 約5~7年 | 5,000~20,000円 |
シリコン | 約7~10年 | 15,000~40,000円 |
ピュアアクリル | 約15年~ | 50,000~70,000円 |
フッ素 | 約15年~ | 40,000~100,000円 |
無機 | 約15年~ | 50,000~120,000円 |
光触媒 | 約15年~ | 50,000~100,000円 |
※上記はあくまで目安です。塗料メーカーや製品によっても価格が異なります。
人件費の相場
ここで言う人件費とは、塗装職人にかかる経費を指します。見積書には、塗装施工費と表記されることが多いと思います。人件費は費用全体の30~40%前後が目安と言われています。そのため、例えば人件費が全体の半分以上を占めているなど、極端に人件費が高い場合には、疑いの目をもった方が良いかもしれません。また安すぎる場合も、経験の浅い職人やアルバイトなどを登用して人件費を下げている可能性があるので要注意です。
工事単価の相場
・各工事項目の相場目安
工事項目 | 相場価格 | |
---|---|---|
足場 ※ | 600~800円/㎡ | |
飛散防止ネット | 100~200円/㎡ | |
高圧洗浄 | 100~300円/㎡ | |
養生 | 250~400円/㎡ | |
付帯塗装 工事 | 軒天 | 800~1,200円/㎡ |
雨樋 | 800~1,200円/m | |
破風板 | 650~1200円/㎡ | |
雨戸 | 2,000~5,000円/枚 | |
シーリング打ち替え | 900~1,500円/m | |
シーリング増し打ち | 500~1,000円/m | |
諸経費 | 現場管理費 | 1式 30,000~50,000円 |
廃材処理費等 | 1式 10,000~30,000円 |
3.見積もりから見る業者選びのポイント
最後に、多くの方が悩むであろう業者選びについて見積もりの観点からポイントをお伝えします。
3-1.見積もり前の診断が丁寧な業者
見積もりを作成する際に必要な建物の情報(素材・面積等)を確認する為に、建物診断を行ないます。診断時に目分量で測定を行っていたり、屋根を確認することなく診断を終わっていたりする業者は要注意です。塗料の塗布量を算出する為に必要な施工面積を正しく算出できない可能性があります。丁寧に診断を行っている業者を選ぶようにしましょう。
3-2.診断結果を書面で報告される業者
診断後、診断の結果を提示してもらいましょう。そこで、建物の劣化状況を口頭で伝えられた場合は注意してください。診断結果に基づいた工事の提案がされない可能性があります。
劣化箇所を写真で見せてくれたり、報告書にして説明してくれる業者を選ぶようにしましょう。
3-3.診断結果に基づいた見積書を作成する業者
見積書をもらったら、診断結果に基づいたものになっているか確認しましょう。劣化症状にあった塗料を選んだほうが良いのはみなさんも想像がつくかと思います。熱が出て病院に行ったのに、咳止めを処方されたら意味がないですよね。家の塗り替えも同じです。劣化症状を無視して自社のおすすめ塗料のみを勧めてくる業者には注意しましょう。
4.まとめ
見積書の正しい見方から塗装の相場、業者選びまでを説明しました。
まずは、診断時に丁寧な診断をしてもらえたか、劣化症状の報告が適切であったかを確認しましょう。
見積書を受け取ったら、見積書の内容に不備がないか、表記は正しい表記の仕方かをチェックし、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。