屋根塗装 色選びのポイント
屋根塗装工事は、大切なお住まいを雨風から守るためにも欠かせないメンテナンスです。
塗装工事の最大の目的は、塗膜保護による屋根材の劣化防止です。
しかし、簡単に状態を確認できず、ご自身で補修もできない屋根だからこそ「確実で長期メンテナンスフリーな状態にしたい!」と思う方も多くいらっしゃることかと思います。
そのため、塗料選びの際には耐久性やコストパフォーマンスを比較した上で決められていると思います。近年では、遮熱塗料や低汚染など高機能な塗料が多数発売され、機能を重要視する方も増えてきています。
そして、最後に決めなくてはならないのが屋根の色です。
屋根は建物の高さや勾配によってあまり見ることのできない部分のため、何となく決められる方もいらっしゃることかと思います。
しかし、せっかくの塗装工事なので、今まで何となく選んでいた屋根の塗装色を見直し、機能性の向上やイメージチェンジに役立てて頂ければ幸いです。
◆色の違いで異なる室内温度
現在では当たり前になりつつある遮熱・断熱ですが、この2つには仕組みの違いがあります。
遮熱:暑さの原因でもある太陽熱を反射し、熱吸収を抑え熱放射を防ぐ
断熱:内部に伝わる熱を小さくする
上記のように遮熱・断熱の仕組みは根本が異なるため、色は関係ないように思えますが、そもそも色が持つ熱の吸収率を考えると、室内温度が改善される可能性があります。
白は反射・黒は熱を吸収、服装の色を決めるときにも考えたことがある事かと思います。
自動車メーカーからも白色と黒色の同車種を同じ場所に同じ時間置いておくと、黒色の自動車は白色の自動車よりも10℃近く車内温度が高くなると発表されています。外壁や屋根もそれらと同じ考えです。
暑さ対策を研究した遮熱塗料だからこそ、機能を持たない通常のブラックと比較すれば多少の効果は感じ取れるかもしれませんが、室内が暑いのであれば白系の色を屋根塗装に選ぶのがベストです。
わかりやすく白と黒でご紹介しましたが、現在人気の高い屋根塗装の色をご紹介していきます。
◆人気の色・おすすめの色
屋根塗装の色選びに関して気になるポイントと言えば、
・外壁の色との相性
・美観性(汚れやコケが目立たないか)
・周辺環境に馴染むか
・機能性を損ねないか(遮熱など)
かと思います。
上記の4つのポイントを抑えた人気の色・おすすめの色系統をご紹介していきます。
①グレー
ブラックでは暑さが気になるしつまらない、そんな方が選ぶことの多いグレー系は、ホワイトに近づけるほど遮熱・断熱効果を損ないませんが、ホワイトよりも汚れが目立ちにくい仕上がりとなります。
彩度が低いため相性の悪い外壁色もありませんので、どのような住宅でも協調性・柔軟性を感じさせる上品な仕上がりとなります。
②ブラウン
ブラウンもやはりブラックよりも遮熱・断熱効果に期待が持てるだけではなく、柔らかい印象で癒しや落ち着きを与えます。
ベージュ系やイエロー系の暖色系の色を外壁に使用した方から高い人気があります。
③グリーン
自然色として挙げられるグリーンは、見る人に対しても調和・癒し・安心を与えます。
外壁の色はしっかりと考えなくてはいけませんが、グリーンの屋根は汚れも目立ちにくく、淡色にすることで機能も損ないません。
◆色が人に与える心理効果
上記でご紹介した3色以外にも、レッドやブルーが気になるという方も、もちろんいらっしゃいます。
屋根にレッドやブルーを使用する場合は、外壁は彩度の低いホワイト系やグレー系、屋根色と喧嘩しない同系色になるケースがほとんどです。
少し視点を変えて、機能性ではなく色が人に与える心理効果をご紹介します。
■レッド
パワフル・アグレッシブ・活発なイメージを与えますが、危険・注目といった印象もあります。
少し深みを持たせるだけでエレガントさを感じさせます。
■ブルー
クール・清潔・落ち着きを与える他、寒色効果もあるブルーですが、近年ではネイビーが人気の高いカラーとして挙げられます。適度な引き締め効果や清潔感を与え、汚れも目立ちにくい色です。
■イエロー
解放感・明るさを感じさせるイエローは、集中力が高まる色としても知られています。それと同時に、奇抜・注意喚起のイメージも与えます。暖色なので、少し明度を抑えると親しみやすい印象になりそうです。
■ブラック
同じものでも一際高級な印象を与える色です。何も考えずに選んだ色がブラックだったという方も多くいらっしゃると思いますが、どんな色でも相性は抜群です。
□ホワイト
真っ白なホワイトの場合は、清潔感と同時に浮世離れ・近寄りがたいという印象も与えます。オフホワイトやアイボリーであれば、少し柔らかい印象となります。
◆色は不思議な効果を持つため、好きな色だけではなく機能性やバランス、どんな印象を与えたいかなど、楽しみながら色選びをしましょう。