【外壁塗装】塗料の種類・特徴|水性塗料と油性塗料の違いは?
外壁や屋根の塗り替えに使われている塗料はさまざまな種類がありますが、今回はそんな塗料の中でも[水性塗料]についてご案内いたします。
かつては外壁塗装といえば主に油性塗料が使われていましたが、最近では塗装業者から水性塗料の仕様を勧められることが増えています。
[水性塗料]という言葉から、すぐにはがれてしまいそうなイメージがあり、不安になってしまうのではないでしょうか?
「水性塗料は早く劣化してしまうのでは?」「水性塗料は雨の多い天候でも十分に耐えられるの?」などの不安点にしっかりとお答えしていきます。
■水性塗料とは?
水性塗料とは、「溶剤」に水を使用した塗料を指します。
塗料は主に「樹脂」「顔料」「溶剤」の3つの成分で構成されています。施工後、樹脂と顔料は塗膜になり外壁を保護する役割を果たし、一方で溶剤は揮発します。さらに、塗膜に光沢や柔軟性などの特性を追加する為に「添加剤」も含まれています。
溶剤にシンナーなどの有機溶剤を使用していれば溶剤形(油性)、水を使用していれば水系(水性)になります。
水を溶剤に使用しているため、シンナーと違いにおいがきつくなく、扱いやすい塗料です。
■水性塗料のメリット・デメリットは?
水性塗料のメリット①シンナー臭がない
第一のメリットとして挙げられるのが「臭いの少なさ」です。
水性塗料はシンナーなどの溶剤を使わず、主成分が水で出来ています。
その為、ペンキ独特の嫌な臭いを発する事がありません。
塗料の成分独特の臭いはありますが、あくまで塗料の成分であり体に害がある成分の臭いではありません。
人体への被害も心配せず、外部塗装をした際もご近所にご迷惑をかける事がない、とても扱いやすい塗料といえます。
水性塗料のメリット②頑固な塗膜
外壁には油性塗料を採用する事がほとんどでしたが、近年の研究により外壁でも強固な塗膜を作る事が出来る水性塗料も多くなりました。
その効果は、油性塗料にそん色ない素晴らしい強さを発揮しますので、外壁にも安心して水性塗料を採用する事が出来ます。
水性塗料のメリット③保管が簡単
主成分が水ですので、材料の保管を直に注意する事はありません。
反対に油性塗料の場合、シンナーなどの溶剤が含まれていますので、火気の問題など様々な点に注意しなければいけません。
水性塗料のメリット④溶剤中毒にならない
シンナーなどの溶剤を含んでいませんので、臭いを吸う事で気分が悪くなるなどの体調不良を起こす事はありません。
換気が出来ない狭い室内で塗装をしても問題ありません。
水性塗料はお客様自身やご近所さんにも優しい塗料ですが、作業をする職人さんにも優しい素晴らしい塗料といえます。
水性塗料のメリット⑤1溶性が多い
水性塗料は有機溶剤を配合していない関係上、1液性の塗料が多い傾向にあります。
2液性のように撹拌(かくはん)しなければならない塗料ではありませんので、非常に扱いやすく施工性にも富んだ塗料です。
水性塗料のメリット⑥値段が安い
シンナーなどの有機溶剤が含まれていませんので、塗料自体の値段が安価です。
塗装工事自体がコストダウンできる採用しやすい塗料です。
水性塗料のデメリット①塗装に向かない素材がある
水性ですので、鉄部などの塗料を弾いてしまう素材への塗装は難易度が高いといえます。
下塗り材を上手に使用する事で、塗布する事が可能になる場合もありますが、専門業者の技術が必要になります。
水性塗料のデメリット②ツヤが落ちやすい傾向
有機溶剤を含んでいないので、塗膜のツヤが落ちやすい傾向にあります。
「ツヤ有り」を塗布しても、数年後にはツヤの程度が落ちてしまうと思っておいた方が良いでしょう。
水性塗料のデメリット③低温での施工が難しい
水性ですので、あまりにも温度が低いと硬化機能が乏しくなり、最大限の力を発揮出来ないケースがあります。
寒冷地で、しかも冬期には、外壁塗装で採用しないほうがよいかもしれません。
水性塗料のデメリット④作業行程中の雨に弱い
水性塗料ですので、完全に硬化するまでは水に弱い傾向があります。
その為、外部で塗布をしている最中に雨に見舞われてしまうと、ダラっと流れるように塗料が落ちてしまう事があります。
天候をしっかり見極めて塗装作業を行わなければいけないので、管理が難しい塗料と言えます。
最近は、雨の中で塗布する事が可能な水性塗料も増えており、少々の雨でも塗布できる便利な水性塗料もあります。
例えば、関西ペイントのアレスダイナミックフィラーは、雨に当たっても問題なく塗布が出来る世界初の素晴らしい塗料です。
■水性塗料と油性塗料の使い分け
外壁は水性・屋根は油性による塗装がおすすめ
外壁の塗装においては、水性塗料が主流となっていることをご説明させていただきましたが、屋根の塗装はどうでしょうか?
屋根も外部に位置し、常に強い紫外線や雨風にさらされています。しかしながら、屋根は最も紫外線の強く当たる場所であり、外壁よりも過酷な環境下にあります。
その為、屋根の塗装を行う場合には強い紫外線や熱に対応できる油性塗料が最適です。屋根の場合、臭いは上に向かって広がるため、あまり心配する必要はありません。常に過酷な状況にさらされている屋根は油性塗料を使用し、強いにおいや健康被害への懸念、近隣への悪影響を回避するため、外壁塗装には水性塗料を使用される事をオススメします。
外壁塗装工事の塗料に迷ったらカナリアペイントへ
水性と聞いて品質が低いと思われるかもしれませんが、安心してください。
各塗料メーカーは改良を重ね、現在では耐久性の高い無機塗料の水性塗料も多数開発されています。水性塗料は臭いが少なく、安全で環境にも人にも優しい塗料となっています。
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