ベランダ・バルコニーで起こる雨漏り修理
皆さんのお住まいのバルコニーやベランダはどのような形状になっていますか?
周りを見渡してみると外壁よりも外側に張り出した形状であったり、建物の内側に引っ込むようにある形状だったりしますよね?
それぞれメリット・デメリットはありますが、どちらも雨水や太陽光の影響を受ける場所ですので、メンテナンスが必要なのは当然です。
しかしよっぽど雨漏り等が起きているケース以外は、「塗装のついでに…」という感覚で補修工事を検討される方が多く、屋根材や外壁材よりもメンテナンスの重要性が低いと思われている印象を受けます。
そこでこのページでは、ベランダやバルコニーが劣化してしまうとどのようなトラブルが起きるのか、また雨漏りを起こさないようにするにはどうすれば良いのかという事をご紹介させて頂ければと思います。
ベランダ・バルコニーは雨水の影響を受けやすい場所ですので屋根や外壁同様、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
ベランダとバルコニーの違い
ご相談・お問い合わせを頂く際に「ベランダ?」「バルコニー?」とどちらなのか分からないというような話し方をされる方が多いようです。
結論はどこの事を指しているのかは把握できる為どちらでご説明いただいても全く問題有りません。
一般的には『2階以上の屋根がある屋外スペース』がベランダ、『2階以上の屋根のない屋外スペース』がバルコニーとされているようですが、インナーバルコニーには屋根がありますし、お住まいによってベランダやバルコニーの形状は様々ですので一概には言えません。
今回は屋根の有無もそうですが、バルコニーやベランダが住宅に対してどのように造られているのかをチェックしてください。
ベランダやバルコニーが外壁よりも張り出していますか?居室の上にあり、外壁から張り出していない形状でしょうか?その違いで雨漏り発生箇所によるリスクも大きく異なります。
雨漏りの原因とメンテナンス方法
ベランダやバルコニーで雨漏りが発生してしまった際の他への影響は後程ご紹介させて頂くとして、まずは雨漏りの原因となる箇所とメンテナンス方法を挙げていきます。
普段気にもせずに使用していると思いますが、ベランダやバルコニーには雨漏りの原因が意外と多いのでおかしいな?と感じる部分は見逃さずチェックしていきましょう。
1.防水層
雨漏りを起こすであろうと思われている箇所 No.1 は防水層です。
防水層が劣化していればそのまま直下に雨漏りを起こしてしまいますので、恐らく皆さんが最も注意している部分だと思います。
ベランダやバルコニーの防水層には FRP 防水・シート防水・ウレタン防水が多い印象を受けますが、太陽光や紫外線、雨水による影響だけでなく、洗濯物干しやガーデニングで利用する機会があれば歩行による摩耗で防水層が劣化してしまいます。
防水層のひび割れや汚れの付着具合を見て雨漏りを心配されるという方が多いのではないでしょうか?
メンテナンス方法は防水層の保護・再形成です。
築5年程度からベランダ・バルコニー床のひび割れが気になりだしたという方は多いと思いますが、これは防水層表面を保護するトップコートがひび割れているだけのことがほとんどの為大きな心配はありません。
トップコートを10年程度で塗り替えれば防水層の保護が出来ますので、屋根外壁塗装メンテナンスとあわせて施工される方が多いです。
一方ひび割れで収まらず亀裂がある、床から雑草が繁殖している場合は既に防水層が機能を発揮できていない可能性がありますので、防水工事で防水層を形成していく必要があります。
またバルコニーの場合、排水口回りの劣化は大量の雨漏りの原因になりますので、防水層だけでなく排水ドレンの劣化や防水層と排水口との取り合い部分の劣化も要チェックです。
排水ドレンを取り外し交換するのは躯体を傷つける恐れもありますので、改修ドレンを差し込んで内部までカバーする施工で雨漏りを防ぎます。
2.腰壁
続いては壁、ベランダやバルコニーには転落防止用の腰壁がありますし、もちろん居室側、側面にも外壁があります。
プライバシー保護のために、腰壁よりも更に高い壁があるお住まいもございます。
布団を干したり手摺にもたれながら外を見たりと、日々の生活の中でも良く利用するという方は多いかと思いますが、考え方は外壁材と同じですので、塗膜の劣化や目地シーリングの劣化、クラックから雨漏りを起こすこともあります。
また次に紹介する笠木が腰壁での雨漏りを誘発する可能性もありますので要チェックです。
メンテナンスは外壁同様、下地処理と塗装工事です。
モルタルであればクラック補修、サイディングであれば目地打ち替え工事後に塗装メンテナンスを行いましょう。
ただし外壁材に部分的な黒ずみ、腐食がある場合は内部から浸水している可能性もありますので、笠木の劣化・水切り板金の確認を同時に行いましょう。
3.笠木
腰壁の保護 ( 劣化防止 )・デザイン性の為にある笠木、ベランダやバルコニーには防水性・耐久性に優れたガルバリウム鋼板、アルミ、ステンレス製の金属製が採用されることが多いですが、意外と雨漏りを起こしやすい箇所として知られています。
その中でも板金製の笠木や板金製の笠木に手摺が上から固定されているタイプ、コンクリートにそのまま手摺をアンカー留めしているタイプの笠木で雨漏りが発生しているケースが多いようです。
笠木が外れかけている、接続部に隙間が出来ている、腰壁が黒ずみ腐食しているといった場合は笠木から雨漏りを起こしている可能性もあるため、一度調査を行う必要があります。
代表的なメンテナンスはシーリング工事です。
雨水が入り込む継ぎ目はシーリング補修工事で改善できます。
しかし笠木と外壁材の間までシーリング材で埋めてしまうと、かえって外壁材の腐食を引き起こしてしまいます。
住宅には確保しなければならない隙間が存在しますので、補修方法に不安を感じる方は DIY で行わず、必ず専門の工事業者に相談しましょう。
また専門業者にシーリング補修工事を依頼してもあくまで一次防水ですので、劣化したらまた雨漏りを起こしてしまいます。
笠木への雨水浸入を防いでいるのはその下地の防水紙(ルーフィング)ですので、劣化が疑われる場合は一度笠木を取り外しての補修を行っていきましょう。
4.掃き出し窓
雨水が吹き込みやすいベランダやバルコニーだからこそ、掃き出し窓が原因での雨漏りを起こすこともあります。
雨水が入り込む可能性がある場所は窓枠周り ( シールの劣化 )・引き違い部の隙間、外壁のひび割れ、ベランダ、バルコニーの立上り部分等も挙げられます。
窓枠周りは下端の窓枠より外側に防水層が仕上がっていると、防水層に不具合が起こりやすい傾向があります。
ベランダやバルコニーとは無関係の可能性もありますが、防水層ではないか?と原因解明が難しくなるケースもあります。
メンテナンス方法は目地補修と外壁塗装メンテナンスです。
またサッシの枠には水抜き穴があり排水する機能がありますが、水抜き穴が塞がれていないか、建付に異常がないかを確認しておきましょう。
雨漏りの補修
原因が分かればその場所に適した補修工事です。
また今後雨漏りや施工後の不具合が生じないよう下地にあわせた補修工事を行います。
ウレタン防水工事の例です。
ベランダやバルコニーの雨漏りの原因で考えられやすい防水層ですが、雨漏り後や築年数が経過しているお住まいは下地が吸水している可能性があります。
そこで新築時に行うような施工 ( 密着工法 ) を行うと、下地から出る水蒸気が防水層に膨れや剥がれを起こす危険があります。
そのため私たちカナリアペイントでは状況に応じて、下地と防水層を完全密着させない通気緩衝工法 (絶縁工法) をご提案させていただくこともございます。
今回の雨漏りを改善させるのはもちろん、今後の雨漏りや施工の不具合を発生させないために常に適切なメンテナンスをご提案致します。
もちろんベランダ・バルコニーからの雨漏り補修後は室内の復旧工事も承っておりますのでお気軽にご相談ください。
カナリアペイントでは、雨漏りの点検・見積もりも無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。