屋根の雨漏り修理 コーキング
コーキング材は、ウレタンやシリコン、アクリルなどで出来た接着剤です。
コーキングの他にシーリングとも呼ばれています。使用する際にはコーキングガンと呼ばれる器具にコーキング材の入ったカートリッジをセットし、隙間を埋めていきます。
コーキング材を使う目的は主に3つあります。
1つ目は、緩衝材としての役割です。コーキング材の弾力性により、接着したものが動いても片方に追従することが出来るため、パネルの接合部などに用いて、地震などの揺れや温度変化による収縮膨張に対応できるようにします。
2つ目は、接着を目的としています。水回りのシンクと壁の隙間を埋めたり、タイルとタイルの隙間を埋めるときに使用されます。
3つ目は、防水効果を目的としています。外壁や屋根のクラックに充填することで、雨漏りを防止するためなど使用されます。
コーキング材は素材によって特性が異なるため、それぞれの特性を生かし、適切な場所に使用することが大切です。
◆コーキング材の選び方
屋根の雨漏りを補修では、コーキング材で応急処置を行うことが可能ですが、住まいに使用される屋根材には、金属・日本瓦・スレートなど、様々な種類があります。
そのため、修理を行う際には屋根の素材に合ったコーキング材を選ぶことが重要です。
例えば金属屋根の場合、屋根自体がかなり高温になり、時には80℃を超えることもある為、熱に強いコーキング材を使用しましょう。
日本瓦の場合は、通気性の良いコーキング材を選びます。日本瓦は漆喰で接着されていますが、通気性の良い漆喰の上から密度の高いコーキング材を充填してしまうと、屋根裏部分に湿気がたまってしまいます。
同じ瓦でも、材質が陶器かセメントなのかによっても使用するコーキング材は異なります。ひび割れや剥がれなど、症状によっても異なるため、材質や状態にあったコーキングを選びましょう。
◆屋根雨漏りの応急処置手順
屋根から雨漏りがしていると思ったら、自分で応急処置を行う事も可能です。
まず、雨漏りの箇所を探し、特定します。場所を特定したら、コーキング材を充填する場所をキレイに洗いましょう。ゴミがあるとコーキング材の接着が悪かったり、後からひび割れの原因になってしまう事もあります。
次に、マスキングテープを使って養生を行います。必要のない場所にコーキング材が付着するのを防ぐためです。
養生が終わったらプライマーと呼ばれる下地を塗っていきます。1液型のコーキング材であれば単体でも接着しますが、プライマーを使用した方が持ちが良くなります。
最後にコーキング材を充填し、マスキングテープを剥がしたら完成です。コーキング材の乾燥時間は素材によって異なりますが、出来る限り晴れの日が続くときに行いましょう。
しかし、コーキング材での雨漏り補修は、あくまでも応急処置だと考えましょう。雨漏りの原因が補修箇所だけではなかったり、補修が不完全で一時的な効果しかない場合が多くあります。
また、屋根での作業は大変危険なため、無理はしないようにしましょう。
◆雨漏り調査の依頼
雨漏りが発生したとき、または応急処置を行った後には、必ず専門業者へ雨漏り調査を依頼しましょう。
応急処置を施しても、実際には他の箇所に原因があったり、原因が1箇所ではない場合があり、根本的には雨漏りを改善できてない可能性があります。
本来の雨漏り箇所を放置してしまうと、壁などの腐食を招いたり、家屋全体に影響が出てきてしまいます。大規模な修繕が必要となってしまう前に、あくまでも応急処置と考え、原因の特定や修理は専門業者に依頼するようにしましょう。